リリース前に SketchUp のフォーラムで直接開発者から問い合わせを受取り、日本語訳の協力することとなり、ベータ版を試用しながら、日本語のリソースを作成したので、日本語環境でインストールするとメニューは日本語表示されます。
前回ポストした CADMAPPER と同様に、PlaceMaker も OpenStreetMap にアクセスしてデータを3Dモデルに変換します。 CADMAPPER はブラウザ上の地図から範囲を指定して3Dデータの生成を依頼して、ファイルとして DXF, SKP をダウンロードしますが、 PlaceMaker は SketchUp にプラグインとしてインストールして直接操作します。
CADMAPPER と PlaceMaker の比較をしてみました。
CADMAPPER | PlaceMaker | |
アプリケーション コスト |
$0.00 | (1年間のサブスクリプション) |
データコスト | 00
~ 01km2未満 : $0.00 01 ~ 02km2未満 : $6.00 63 ~ 64km2未満 : $43.20 1km2 あたりの単価 $0.60 |
$0.00 |
データ形式 | DXF(3D), SKP(8, 2013~2016) | SKP(2016, 2017, 2018) |
1回の最大取込範囲 | 最大 64km2 | 最大 約2km x 2km (SketchUp による) |
高解像度の画像取込 | なし | 年間で3000タイルクレジット付属 3000タイル/$99.00で追加購入可 |
道路 highway |
4種類の幅を指定 roads_1 : highways roads_2 : major roads roads_3 : minor roads roads_4 : footpaths 個別のパスとして 分割して取り込まれる |
6種類および車線幅を指定 主要道路 : motorway 一般道路 : trunk, primary, secondary, tertiary 住居系道路 : residential サービス道路 : service 未分類 : unclassified 車線幅 : lane width 小道 : footway, bridleway, step, path 地形面(サーフェス)とマージオプション有り 道路面としてマージされて取り込まれる |
3D建物 building |
高さ設定がない場合の高さ指定 | 高さ設定がない場合の高さ指定 階高設定(階数指定されている場合) 高さをランダム化オプション有り マテリアルを読込オプション有り 地形(サーフェス)上に配置オプション有り |
水面 | あり | あり |
樹木 | なし | あり(コンポーネント配置) |
GoogleStreetView との同期 |
なし | あり(PlaceMakerツアー) |
Revit 取込用に保存 | なし(ver.8 形式は取込可) | あり(ver.8 形式で書き出し) |
レイヤ分類 | buildings coastline contours parks railways raod_1 road_2 road_3 road_4 topography water |
Location
Snaps Location Terrain PM - 小道 PM - 小道線 PM - 建物 PM - 樹木 PM - 水面 PM - 画像 PM - 道路 PM - 道路線 |
シーン設定 | なし | PM
- 全て PM - 道路 PM - 道路線 PM - 小道 PM - 小道線 PM - 樹木 PM - 建物 PM - 水面 PM - 画像 |
大きな違いとしては、PlaceMaker では取り込んだ道路が面として結合されていることと、オプションで指定すると、その道路を地形面とも結合してくれるので、そのまま道路と敷地の境界でテクスチャを貼り分ける事ができることです。CADMAPPER からダウンロードしたデータはセグメントごとに細かく分割されているので、これを加工することと比べると、かなりの時間の節約ができそうです。
CADMAPPER の道路は分割されて個別にグループ化されている
PlaceMaker の道路は結合されている
いずれにしても、OpenStreetMap の「道路」の情報は、「線」で表現されていて、「道路幅」の情報までは持っていないため、正確性はありません。それぞれ、 タグで分類されたさまざまな「道路」についておおまかに4〜6種類の道路幅を指定して、「線」を「幅」を持った「道路(面)」としてモデリングしています。
日本の場合は、「基盤地図情報」サイトから、 別途「道路」の情報はベクトルデータとして取り込むこともできるので、これらを組み合わせて利用することもできそうです。
日本の場合は、「基盤地図情報」サイトから、 別途「道路」の情報はベクトルデータとして取り込むこともできるので、これらを組み合わせて利用することもできそうです。
「建物」の情報は OpenStreetMap ではその外形線と、「高さ」または「階数」などの情報があり、これらがタグで指定されていると、その通りの「高さ」で自動的にモデリングしてくれます。「高さ」「階高」などの指定がなく、単に形状だけの2Dデータの場合は、まとめて指定した「高さ」でモデリングしてくれるような設定もあります。
OpenStreetMap からモデリングする場合の最大の特徴は、もし、対象エリアに希望する情報が整っていない場合、アカウントを登録すれば自分で OpenStreetMap を編集できてしまうことにあるのではないかと思います。
試したところでは、建物形状を、ブラウザのエディタで書き込んでから、ほとんどタイムラグなく、PlaceMaker でその結果を取り込む事ができました。
正確性はないとしても、周辺環境としてのコンテクストをゼロから入力することと比べると、あまり待たされることなくモデリングしてくれる効果はかなり大きいと思います。
PlaceMaker には、上記の他に DigitalGlobe が提供する解像度の高い衛星写真画像を地形面にテクスチャとして取り込むこともできるようになっています。
(実際の画像は取り込む前にこちらから確認可能です)
この画像を取り込むためには、本来、DigitalGlobe との有料の契約が必要なのですが、PlaceMaker ユーザは、
このタイルの単位は、例えば 2kmx2km のエリアの画像を一番解像度を高くして取り込もうとした場合、指定したエリアとタイルのグリッドが完全には一致させることは難しいため、7x7=49タイル消費することになります。
※Ver.2 から年間サブスクリプション方式となったため、加筆修正しました。