2010年8月11日水曜日

SketchUp で 展開図[01]

SketchUpでは3次元空間のなかに寸法線を記入でき、これだけでも、さまざまなシーンを設定し、モデリングしたデータの断面を平行投影して展開図表現とすることが可能です。



ただしこの場合は、そのシーンごとに縮尺を指定して印刷、PDF化することはできるのですが、レイアウトされた図面としての展開図は、図面出力を前提としたモデリングをしないかぎり、SketchUp単体では難しい状況です。

縮尺を指定して印刷する場合は、[ファイル]メニューの[ドキュメント設定]で、[印刷尺度]の部分の数値を指定の尺度となるように設定します。


たとえば1/50で出力する場合、「ビューをページに合わせる」チェックをはずし、印刷尺度で、図面上を1.0、モデル内を50.0などとします。(用紙設定しているサイズにどうレイアウトされるか直感的に確認できないので、縮尺の設定としてはすこしわかりずらいですね。)
ちなみにデフォルト設定である「ビューをページに合わせる」をチェックした場合では、SketchUpのウィンドウサイズの中でのレイアウトビューが、そのまま用紙設定しているサイズに自動的にフィットされるため、縮尺はぴったりしたものにはなりません。
これを印刷するかわりにPDFや2Dデータとして出力し、それをCADにとりこみレイアウトするというワークフローもありますが、その時点で3Dデータとは別のデータとして独立してしまいます。


そこでPro版に付属するLayOutの出番です。最新版の7.1に付属するLayOut2.1では、縮尺を指定して取り込んだSketchUpのモデルの端点にフィットすることができる寸法線がサポートされています。

つづく・・・


2010年7月29日木曜日

SketchUp で 天空率スタディ

2003年の改正建築基準法の施行で天空率が導入されて、当初は適合建築物の想定方法や算定位置の配置方法などが各行政庁によって違っていたり、天空率を計算するソフトウエアが各環境にすぐ対応できていなかったりしていましたが、ようやくここへきて、全国一律の審査基準も整ってきているようです。*1

天空率の考え方についてはここでは記述しませんが、専用の天空率計算ソフトウエアによらなくても、SketchUpでモデリングすることにより、ある程度の天空率によるボリュームスタディを、視覚的にも分かりやすくチェックすることが可能です。設計者自らがデジタルなーツールで手作業的に、(ある意味アナログ的な手法で)スタディすることにより、ボリュームの確保をするためのアイデアも見つけることができるかもしれません。

ここでは1例としてセットバックした道路斜線による適合建築物の天空率チェックのためのモデリングをしています。
算定位置は道路の反対側の境界線上なので、中心点がちょうど算定位置となるよう半球状のオブジェクトを配置しグループ化します。この際、とりあえず球の半径は2mで、円の分割数を72等分(中心角5度)とした多角形(72角形)をもとに[フォローミーツール]で球状にしたものを半分にしています。
つぎに、適合建築物の形状をモデリングし、これもグループ化しておきます。
算定位置(半球の中心)から、この適合建築物の一番道路側の垂直面の各頂点に対して線を引き、3枚の3角形をつくり、球面上に色を透過させるようにするために、半透明の色をつけておきます。(水平面は不要、後述する理由で3枚の三角形はグループ化しません。)

同様に、比較検討するための計画建築物をレイヤを分けてモデリングし、これもグループ化しておきます。ここでも算定位置(半球の中心)から計画建物の形状の各頂点に向かって線を引いてゆき、計画建築物をすべて球面に投影できるように3角形をつくり、別の色で半透明にしておきます。(非表示になっている適合建築物の場合と同様、後述する理由でこれらの三角形はグループ化しません。)

ここまでの状態で、各レイヤを表示し、モデルを真上からみて[カメラメニュー/標準ビュー/平面]、さらに[カメラメニュー]から[平行投影]とすると、適合建築物と計画建築物が球面上に正射投影された天空図が表示されます。

球面については、[表示メニュー]の[隠しジオメトリ]のチェックをはずすことにより、72等分なので、中心角5度で分割された表示となります。2D表示されたこの円の面積に対して、投影された部分を除いた面積の割合が天空率ですが、SketchUpではモデリングするだけで天空率を計算することはできません。(プラグイン等も開発され公開されているものもあるようです。)
ボリュームスタディの段階では、この状態で2Dデータとして出力し他のCADで読込み、面積を計算し天空率のチェックをするなどのワークフローが考えられます。(球面と各射影面を選択して交差させることで、球面上に正射投影することも可能です。)
天空率自体の計算は専用のSoftwareあるいはPlugin等に任せるとして、ここでは、SketchUpの[移動コマンド]を使って、道路の反対側の境界線に沿って、算定位置を球面ごと平行移動してみます。すると、インタラクティブに各算定位置における天空図の変化を見ることが可能になります。その際、算定位置と各頂点を結ぶ三角形の頂点も一緒に移動するように、球面を下から見て算定位置(球面の中心点)と、球面を結ぶ線分(上図の青いライン)を1本、三角形と干渉しない位置に入力しておきます。(←ここがミソ!3角形をグループ化していなかったのはこのためです。)
正確な数値での比較ではありませんが、算定位置のどこか1カ所でもオーバーしていたらNGとなる天空率によるボリュームスタディとしては、その「アタリをつける」という意味でSketchUpによるスタディは有効なのではないでしょうか。




2010年4月27日火曜日

SketchUp で VolumeCheck

都市計画エリア内では特に、設計の初期段階において、敷地の諸条件からどれくらいのものを建てることが出来るのか?そのボリュームを把握することがまず求められます。
道路斜線・隣地斜線・北側斜線・用途地域・高度地区・絶対高さ制限・日影規制・道路条件・敷地及び敷地周囲の高低差・敷地周囲の状況による緩和規定・天空率・地区条例etc・・

これらのさまざまな条件のチェックは、2D-CADによる作図、日影計算・天空率計算などComputerの利用は当然のことながら、これらに加えてSketchUpで3D化することで、視覚的にも状況をわかりやすく把握できるようにすることが可能です。